信託とは、自分の財産を信頼できる人に託し、その人に財産を管理・運用してもらえる仕組みです。例えば、ご自身の財産を子供や孫に託し、その人が将来、必要な時に自由に使えるようにしたり、老後の生活費として定期的に受け取れるようにしたりすることができます。
信託には、民事信託、商事信託、生命保険信託など様々な種類がありますが、一般的に「家族信託」と呼ばれるのは、民事信託に該当します。民事信託は、信託会社を介さずに、家族や親族など信頼できる人を受託者として契約を結ぶことができる点が特徴です。

家族信託が注目されている理由は様々です。

認知症対策

認知症になると、本人の意思表示が難しくなり、財産が凍結してしまうリスクがあります。家族信託を利用すれば、あらかじめ財産管理の方法を決めておくことで、このような事態を防ぐことができます。

相続トラブル防止

相続は、家族間の感情的な対立を引き起こす可能性があります。家族信託を利用することで、相続の手続きをスムーズに進め、相続トラブルを未然に防ぐことができます。

財産管理の効率化

不動産などの財産を管理することは、手間と時間がかかります。家族信託を利用すれば、専門家である受託者に任せることで、財産管理の負担を軽減することができます。